お救いいぬポポ [猫村]
猫バー:ポポさんは、お救いいぬの一族なんじゃ。お救いいぬというのはな、
オオカミの血を引く一族で、昔っから、この村の守り神じゃ。
この夏は、日照りで村はききんに苦しんだ。おまけに疫病が広まっての。
もう地獄じゃった。それでわしが占って、お救いいぬのポポさんを探さ
せ、呼びにやらせたのじゃ。
ポポさんはすぐに来てくれた。そう、まだ小さな子がいたというのにな。
(子ポポに)あんたのことじゃな。かわいそうだったが、仕方がなかった
のじゃ。
ポポさんは、この村に矢のように走ってきた。そして、わしらの頼みを
聞くと一気にこのやぐらを上った。
アダモ:えっ!このやぐらを!?
子ポポ:お母さんが!?
猫バー:そうじゃ、お母さんはお救いいぬの仕事をちゃんと心得ていてな。
わしらは下で、しきたりにしたがって、火をつけるのじゃ。
アダモ:火をつけるって!?
猫バー:お救いさんがやぐらに駆け上がった後、山積みしたたきぎを燃やすの
じゃ。
子ポポ:そんなことしたら、焼け死んじゃうよ。
猫バー:そうではない。お救いさんは、迷わず、天をめざすことができるの
じゃ。それでこそ、神様に会えるのじゃ。
アダモ:そりゃア・・ひどい、あんまりだ。
子ポポ:そうだよ、かわいそうだよ。
猫バー:そうしなかったら、村は救われんのよ。
アダモ:なんだ、おとなしく聞いてれば、お前たち、村を助けにやってきた
ポポさんを、いけにえにしちゃったってことだよな。なんてことだ。
ヒト殺し、いや、イヌ殺しの猫どもめ。
猫バー:いや、ちがう! アダモさん、子ポポちゃん、殺してはおらん。
確かにポポさんは天に上ったのじゃ。そして、神様にこの村をすくう
ようにたのんでくれたのじゃ。
おかげで村は助かった。ポポさんは生きておるのだよ。それは間違い
ない。
そうじゃ、これをポポさんから預かっておる。
<小さな鈴を子ポポに渡す>
子ポポ:<振ってみる。リンリン、リンリン。リンリン、リンリン>
これは、お母さんがつけていた鈴!私の体をなめてくれた時、
いっしょに走った時、いつも鳴っていた音。なつかしい!
猫バー:そうじゃ。これをあんたに渡してほしいってのう。そう言って、
上っていったんじゃ。
子ポポちゃんが鳴らすの鈴の音を、天のポポさんも今、聞いているぞ。
子ポポ:じゃあ、ほんとにお母さん生きているんだね、猫バーさん。
会いたいよ。アダモおじさん、子ポポもお母さんのところへ
行きたい。
アダモ:なっ、なに一っ!?
<さてさて、アダモおじさん、困っちゃいましたね>
オオカミの血を引く一族で、昔っから、この村の守り神じゃ。
この夏は、日照りで村はききんに苦しんだ。おまけに疫病が広まっての。
もう地獄じゃった。それでわしが占って、お救いいぬのポポさんを探さ
せ、呼びにやらせたのじゃ。
ポポさんはすぐに来てくれた。そう、まだ小さな子がいたというのにな。
(子ポポに)あんたのことじゃな。かわいそうだったが、仕方がなかった
のじゃ。
ポポさんは、この村に矢のように走ってきた。そして、わしらの頼みを
聞くと一気にこのやぐらを上った。
アダモ:えっ!このやぐらを!?
子ポポ:お母さんが!?
猫バー:そうじゃ、お母さんはお救いいぬの仕事をちゃんと心得ていてな。
わしらは下で、しきたりにしたがって、火をつけるのじゃ。
アダモ:火をつけるって!?
猫バー:お救いさんがやぐらに駆け上がった後、山積みしたたきぎを燃やすの
じゃ。
子ポポ:そんなことしたら、焼け死んじゃうよ。
猫バー:そうではない。お救いさんは、迷わず、天をめざすことができるの
じゃ。それでこそ、神様に会えるのじゃ。
アダモ:そりゃア・・ひどい、あんまりだ。
子ポポ:そうだよ、かわいそうだよ。
猫バー:そうしなかったら、村は救われんのよ。
アダモ:なんだ、おとなしく聞いてれば、お前たち、村を助けにやってきた
ポポさんを、いけにえにしちゃったってことだよな。なんてことだ。
ヒト殺し、いや、イヌ殺しの猫どもめ。
猫バー:いや、ちがう! アダモさん、子ポポちゃん、殺してはおらん。
確かにポポさんは天に上ったのじゃ。そして、神様にこの村をすくう
ようにたのんでくれたのじゃ。
おかげで村は助かった。ポポさんは生きておるのだよ。それは間違い
ない。
そうじゃ、これをポポさんから預かっておる。
<小さな鈴を子ポポに渡す>
子ポポ:<振ってみる。リンリン、リンリン。リンリン、リンリン>
これは、お母さんがつけていた鈴!私の体をなめてくれた時、
いっしょに走った時、いつも鳴っていた音。なつかしい!
猫バー:そうじゃ。これをあんたに渡してほしいってのう。そう言って、
上っていったんじゃ。
子ポポちゃんが鳴らすの鈴の音を、天のポポさんも今、聞いているぞ。
子ポポ:じゃあ、ほんとにお母さん生きているんだね、猫バーさん。
会いたいよ。アダモおじさん、子ポポもお母さんのところへ
行きたい。
アダモ:なっ、なに一っ!?
<さてさて、アダモおじさん、困っちゃいましたね>
コメント 0