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お救いいぬポポ [猫村]

猫バー:ポポさんは、お救いいぬの一族なんじゃ。お救いいぬというのはな、
   オオカミの血を引く一族で、昔っから、この村の守り神じゃ。
   この夏は、日照りで村はききんに苦しんだ。おまけに疫病が広まっての。
   もう地獄じゃった。それでわしが占って、お救いいぬのポポさんを探さ
   せ、呼びにやらせたのじゃ。
   ポポさんはすぐに来てくれた。そう、まだ小さな子がいたというのにな。
   (子ポポに)あんたのことじゃな。かわいそうだったが、仕方がなかった
   のじゃ。
CIMG2126.JPG
   ポポさんは、この村に矢のように走ってきた。そして、わしらの頼みを
   聞くと一気にこのやぐらを上った。
CIMG2127.JPG
アダモ:えっ!このやぐらを!?
子ポポ:お母さんが!?
猫バー:そうじゃ、お母さんはお救いいぬの仕事をちゃんと心得ていてな。
   わしらは下で、しきたりにしたがって、火をつけるのじゃ。
アダモ:火をつけるって!?
猫バー:お救いさんがやぐらに駆け上がった後、山積みしたたきぎを燃やすの
   じゃ。
子ポポ:そんなことしたら、焼け死んじゃうよ。
猫バー:そうではない。お救いさんは、迷わず、天をめざすことができるの
   じゃ。それでこそ、神様に会えるのじゃ。
アダモ:そりゃア・・ひどい、あんまりだ。
子ポポ:そうだよ、かわいそうだよ。
猫バー:そうしなかったら、村は救われんのよ。
アダモ:なんだ、おとなしく聞いてれば、お前たち、村を助けにやってきた
   ポポさんを、いけにえにしちゃったってことだよな。なんてことだ。
   ヒト殺し、いや、イヌ殺しの猫どもめ。
猫バー:いや、ちがう! アダモさん、子ポポちゃん、殺してはおらん。
   確かにポポさんは天に上ったのじゃ。そして、神様にこの村をすくう
   ようにたのんでくれたのじゃ。
   おかげで村は助かった。ポポさんは生きておるのだよ。それは間違い
   ない。
   そうじゃ、これをポポさんから預かっておる。
<小さな鈴を子ポポに渡す>
子ポポ:<振ってみる。リンリン、リンリン。リンリン、リンリン>
   これは、お母さんがつけていた鈴!私の体をなめてくれた時、
   いっしょに走った時、いつも鳴っていた音。なつかしい! 
猫バー:そうじゃ。これをあんたに渡してほしいってのう。そう言って、
   上っていったんじゃ。
   子ポポちゃんが鳴らすの鈴の音を、天のポポさんも今、聞いているぞ。
子ポポ:じゃあ、ほんとにお母さん生きているんだね、猫バーさん。
   会いたいよ。アダモおじさん、子ポポもお母さんのところへ
   行きたい。
アダモ:なっ、なに一っ!?
<さてさて、アダモおじさん、困っちゃいましたね>

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